ICLを受けてきた話

先進会眼科でICLという目にレンズを埋め込んで視力を上げる手術を受けてきました。DaiGoとか指原莉乃とか有名人も受けてる手術で、レーシックと似たような手術です。

 

ICLとは

ICLは目の中にレンズを埋め込んで視力を上げる手術です。よく比較されるレーシックは目の表面の角膜を削って視力を上げる手術です。どちらも視力を上げるという点では同じですが、視力が戻りにくかったりレンズを外せば元に戻せたりといった点が優れているICLの方が最近は人気があるらしいです。

目にレンズを入れると聞くと怖いかもしれませんが、目にレンズを入れること自体は白内障の手術でも行われていてそれなりに歴史がある技術なのでその点に関してはあまり心配はいらないです。

 

ICLを受けた理由

メガネは曇ったり汚れたりチー牛と呼ばれたりコンタクトレンズは目が乾燥したり水辺では使えなかったりと不便な点が多く面倒に感じていたところ、Youtuberや大学の同級生がレーシック・ICLを受けて良かったと話していたので興味を持ちました。

コロナのせいでバイト代の使い道が無くお金に余裕があったことやコロナのせいで家に引きこもるので術後のダウンタイムが気にならなかったため、手術を受けるなら今しかないということで決断しました。

 

クリニック選び

ICLは自由診療なのでクリニックごとに価格が異なります(健康保険は使えません)。価格は60万円くらいが相場となっています。自分は相場よりも少し安いところで執刀数の多いクリニックを基準にしてクリニックを選びました。安ければもちろんいいし、何より相場より少し安いくらいの方が執刀数も多いので逆に信頼できると思ったからです。

 

自分の目を切ってレンズを入れる手術を受けるんだから一番高くていいところを選ぶべきという意見も分かるのですが、実はICLの場合はどこのクリニックで手術を受けても内容はほとんど一緒です。

目に入れるレンズは国内ほぼ全てのクリニックは同じスターサージカル社のEVO+というレンズを使用していますし、検査内容もクリニックのホームページを見てみるとどこもほとんど同じ内容であることが確認できます。

つまり、クリニックごとに違いがあるのは医師の技量くらいしかないことになります。そのため執刀数が多くてインストラクターライセンスも持っている先進会眼科なら価格が安くても問題ないと判断しました。

また、ICLやレーシックで失明するような事故が起きるのは基本的に感染症にかかった場合だけです。レーシックは過去に集団で感染症を起こした事件が発生していますが、これは手術器具の衛生管理を怠ったことによる感染症が原因でレーシック自体の問題とは言えません。

 

相場より安めで執刀数の多い有名なクリニックは3つほどありましたが、その中で先進会眼科を選んだ理由としては、保険診療やICL以外の手術もやっている点が大きかったです。

ICLの手術を受けた後は1年に1回は定期健診を受け続ける必要がありますが、元々近視の眼は手術の有無に関わらず緑内障網膜剥離などの病気のリスクが高いです。そのため、通常の保険診療もやっているクリニックで定期健診を受けられるのはメリットだと思いました。

あと5chのICLスレでも評判が良かったです。

 

適応検査

クリニックを選んだ後は適応検査を受けます。レンズの度数を決める他にも目の状態を色々調べます。人によっては検査の結果手術不適応となる場合もあるらしいです。

この適応検査ですが、とても人気があったようで予約を取ろうとしたら1ヵ月以上先の日しか予約が取れなかったです。余裕を持って予約を取りましょう。

 

適応検査は2回ありました。1回目は色々な検査をして目の状態を詳しく検査します。2回目は視力検査とかの一部の検査だけで、日によって大きく変化する可能性のある検査だけもう一回やります。

ちなみに1回目の検査では瞳孔を開く目薬を差されるため帰りはめっちゃ眩しくなるのですが、そのことを事前に知っていたため100円ショップでサングラスを買っていきました。真夏の砂浜くらい世界が眩しくなるのでサングラスを用意しておいて良かったです。

 

料金

2回目の適応検査の後に前金3万円を支払ってレンズを確保し、残りの代金は手術当日に支払う形となります(前金3万円分は後に手術代金から割り引かれる)。

銀行振込にも対応していて、手術代金を事前に支払うと5000円分の銀行振込割引というのが受けられます。自分の場合は-5D以上の乱視無しICL52,8000円+保護メガネ代3300円-紹介割引2万円-学割2万円-銀行振込割引5千円で合計486300円でした。学割があることも知らなかったので50万円以下で手術を受けられるとは思っていなかったです。

 

また、通常の料金では1年間の補償期間となっていますが、5万円くらい料金を追加すると保証期間が3年間に伸びる仕組みになっていました。ただし、この場合は保証期間が延びる分定期健診の料金も無料になるので実質4万円くらいの追加料金です。

ただし、自分は1年間の補償期間で十分だと思ったので3年間は付けませんでしたし無理やりオプションを付けられるようなことはなかったです。

 

手術3日前

手術3日前から抗菌用の目薬を1日4回差す必要があります。また、寝る前には目の下まぶたに軟膏も塗ります。目に軟膏を塗るのは初めてだったので戸惑ったのですが、3回しか塗らないので頑張って塗りました。痛みとかは全くないです。それよりも感染症にかかって失明するリスクの方が怖いのでちゃんと塗りましょう。

 

手術当日

手術当日は受付に行くとすぐに手術の待合室に通されました。ヘアキャップとガウンを被せられ、麻酔用とかの目薬をパシャパシャ差されながら待ちます。自分の他にも手術を受ける人がいて、その日は4人手術を受けるようでした。

さすがにいよいよ手術となると緊張していたのですが、待っている間に緊張を和らげる薬を飲まされます。薬を飲むと緊張が和らいでいって、数分後には「もう何も怖くない。むしろ早く手術してくれないかなぁ」と3話のマミさんみたいな心境になっていました。

 

その後看護師に連れ添われて手術室に行きます。途中で自分の前に手術を受けた人とすれ違いました。なんかよく分からない言葉を叫びながら怖かったと看護師に泣きついていましたが、このとき薬の効果で落ち着いている自分は「大げさだなぁ」と思っていました。

そして自分の番が来て手術室に入ります。まず初めに椅子に座って顔全体を覆われて目の周りを消毒されます。手術中は正面のライトを見ているように言われました。

目を開くための器具を装着されるともう目を閉じることができなくなります。ただし、茶色の消毒液をずっとジョボジョボ流されるので目が乾いて痛くなることはないです。

 

いよいよ手術が始まると、待っていたのはひたすら恐怖でした。なんか目をカチャカチャされますが消毒液で視界がにじんでいるので何をされているのが全く分かりません。ただ、途中でレンズを入れられたときはぐいっと目が動いて「あぁ、レンズが入ったんだなぁ」と分かりました。

レンズを入れた後も位置合わせ?でずっと目をカチャカチャされます。で、この間ずっと意識を保って正面ライトを見続ける必要があります。目を弄られるという人体が生理的嫌悪感を抱く状況でひたすら目を動かさないように耐え続けるというのはかなり精神力を持っていかれ、めちゃくちゃ怖かったです。万が一気を失って上を向いたりしたら大変なので絶対に意識を失わずに前を見続ける必要があります。

麻酔が効いているので痛みはないのですが、医師に完全に生殺与奪を握られ目を弄られながら視線を固定し続けるというのはめちゃくちゃ怖くて、拷問されている気分になりました。やさしい女医さんでしたが、「あなたの犯した罪を話してください」って言われたらあることないこと全部喋っていたと思います。ようやく片目が終わった後にもう片方の目が残っている絶望感。緊張を和らげる薬を飲んでいたにも関わらず、両目合わせて20分くらいの手術で3回は過呼吸になりました。泣きそう、というかたぶん泣いていましたが消毒液をじょぼじょぼかけられていたのでよくわからなかったです。

 

短いようで永遠に感じられる手術が終わると、椅子に座らされて目にタオルをかけられてそのまま40分待機します。精神が疲弊していたので気が付いたら眠ってしまっていたのですが、目が覚めるころには気分も落ち着いて普通になっていました。

手術直後はピントが合わないし視界も白くぼやけてよく見えないです。2~3時間すると遠くの景色はよく見えるようになりました。ただし、スマホの文字なんかはぼやけて読めないので、帰り道の電車の乗り継ぎとかは事前に確認しておきましょう。

 

手術翌日

手術翌日の朝にはよく見えるようになっていました。クリニックで視力を測ってもらうと両目ともに2.0出ていました。

あと、この日は日差しが強くて眩しく感じたのですが、医師に聞いてみると手術後は目が炎症を起こして眩しく感じることがあるらしいです。実際、次の日には眩しさは消えていたので問題はなかったです。

 

1週間検診・1ヵ月検診

術後1ヵ月は目薬を3種類×4回で1日に12回は目薬を差し続ける必要があります。感染症は怖いのでサボらずちゃんと差しましょう。

また、術後数日は洗顔や入浴にも制限がかかります。髪が洗えないのはけっこうストレスなので、自分はドライシャンプーを使って耐えました。

 

1週間検診では経過は良好で、特に異常が無かったので保護メガネも外して裸眼で生活できるようになりました。ついついメガネを探してしまったりする度に裸眼で生活できる便利さを実感します。

急に視力が良くなったことで近くを見ると多少目が疲れる場合があるため、100円ショップで弱めの老眼鏡を買っておくと役に立つかもしれません。

 

1ヵ月検診でも経過は良好で特に問題ありませんでした。

この時期になると裸眼でよく見えるのが当たり前になっていて、逆にありがたみを感じなくなってきます。喉元過ぎればなんとやらでメガネをかけていたころの不便さをすっかり忘れて最初から視力が良かったように錯覚するようになります。

 

術後のハロー・グレア・光の輪

ICL手術のデメリットとしてよく上げられる内容としてハロー・グレア・光の輪があります。ただ、ハロー・グレアに関しては自分はほとんど気になりませんでした。そもそも曇り止めのついたメガネとかでも光の反射は起こるので、それと比べたらむしろ良いレベルです。

 

光の輪に関してははっきり認識できるレベルで見えました。照明とかの光源を見ると周りに光の輪っかが見えます。ただ、「なんか輪が見えるなぁ」程度のもので特に困ることはないです。

 

最後に

自分はICL手術を受けて本当に良かったと思っています。メガネやコンタクトレンズの不便だった点は全部解消されて裸眼で過ごせるようになりました。自費診療でお金がかかりますが、それだけの効果はあると思います。

デメリットとしては手術が怖いことと光の輪が見えることと1年ごとに定期健診を受け続ける必要があるくらいですが、裸眼で過ごせることと比べたら全然受け入れられるデメリットだと思います。

 

あと、手術を受けるならやっぱり若いうちに受けた方がいいなと思いました。そもそも多くの人は40代になると老眼が進行し始めるのでその頃にICLを受けても近くが見えにくくて結局老眼鏡をかけるハメになったり、50~60台になると白内障手術でレンズを埋め込めば遠くも見えるようになったりするため、20~30台が一番ICLのメリットを受けられます。

また、旅行に行ったり人と交流したりとアクティブに活動するのもやはり若い時期の方が多く、若い時期の方が裸眼で過ごせることのメリットも大きいです。

どうせコロナで出かけられない今のうちにICLを受けることを検討してみてはどうでしょうか。

大学院進学時に転研するお話

研究室選びに失敗してブラック研究室を引き当ててしまったので院進のタイミングで同じ専攻の別の研究室に変えたお話です。

ちなみに転職とか転校とはよく言うものの転研ってあんまり言いませんよね。これを機に流行らせたいです。「ただいま~!転研転研転研~!」みたいな感じで気軽に転研と口にしていきましょう。

 

ブラック研究室へようこそ

まずはブラック研究室に配属された経緯について。僕は3年生の秋の研究室選びでは漠然とこの分野やりたいなぁと思って研究室を選びました。自分はGPAも高かったし、まぁどんな研究室に行ってもついていけないことはないだろうと思って特に研究室の厳しさとかは深く考えずに研究分野だけで研究室を選んだのですが、これが間違いだったことには後から気がつきます。

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ちなみに配属先研究室が決まった後に「あの研究室の学生は目が死んでいる」という話を聞いたときは鼻で笑っていたのですが、これは正しかったです。少なくとも僕の目は死んでいます。

 

うわっ…私の研究室、黒すぎ…?

研究室配属が決まるとすぐにゼミに参加するように言われます。他の研究室は連絡すら来てないところも多い段階から研究をやらせてもらえるわけですね。

初めて参加したゼミでは先輩方が何を言っているのかさっぱり理解できませんでした。今振り返っても普通3年生には理解できない内容を説明いっさい無しでやっていたんですが、とりあえず聞かせていれば理解できると考えていたのでしょうか。その後も特に基礎知識学習とかはなくて勝手に自分で勉強してねって感じだし、教授もググれば分かるでしょみたいなスタンスでキツかったです。

 

これは後に分かったことですが、僕の研究室は1つ上の代の学生は元々4人いたのが1人しか残ってないです。やばいですね☆

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また、今年度は新型コロナウイルスの影響で特に春学期は大学にもほとんど行けなかったため研究室の人達と話す機会もほとんどなかったし、研究室に置いてある書籍も読めないしPCとかも触れない状況で、特に研究を始めたばっかりの4年生にとっては辛い状況でした。

 

研究つらい

僕は修士の先輩が半分くらいまでやって修論書いたテーマを引き継ぐことになったのですが、資料はほとんど残ってないし、なにより一番最初にとりあえずこのプログラムを動かしてみようとなったプログラムがエラーだらけでどう頑張っても動かず詰まってしまいます。教授には「人に聞くのが下手」とか言われましたが、そもそもみんなバラバラのテーマを研究しているので研究室内で質問することがほとんどないし、コロナで研究室も閉まって話す機会もないのに環境構築レベルの問題をどう聞けばいいんだという話です。

 

打ち合せと輪講と研究報告で週3回計7時間以上拘束されるし、そもそも開始時刻には厳しいけど終了時刻にはルーズで時間延長は当たり前だし、打ち合わせではあれをやれこれをやれと言われるし、自分は進捗出せないけど周りは毎週めっちゃ進捗出してるしで研究以外のことをやる時間が取れず精神的に辛くなってきます。

 

研究は全く進まないし、それで鬱になってもっと研究進まなくなるし、ミーティング前日には毎回徹夜で頑張ってみますが、それでもまともな進捗を出せずまた毎週ミーティングが近づく度に鬱になってきます。

 

教授にはこのままだと留年するよと詰められ、でも基礎的な部分で詰まっているし、個人でやるには割と難しいテーマだから調べてもまともな情報がほとんど無いと言っても「ネットには情報がいっぱいある」「探せば同じことやってる人が絶対いる」と全く取り合ってもらえなかったです。

 

中間報告書

10月末くらいに卒業研究の中間報告書というものを出す必要があるのですが、教授は自分から「論文指導は厳しい」と宣言するくらい厳しく修正を要求してきます。正直この中間報告書はそこまで重要なものではなく、他の研究室ではメールで指導教員に送ったら数か所指摘される程度で提出しているところも多かったのですが、僕の研究室ではゼミとは別にしっかり予定を取って1時間しっかり個別ミーティングをして8割くらい修正を要求され、3日後(締め切り前日)にまたミーティングをやるからその時までに修正してこいと言われます。

 

文章の書き方とかの修正は確かに正しいことを言われていたので徹夜で頑張って修正しましたが、問題は実験データが一つも載ってないから実験してデータ取って載せろと言われた部分です。頑張ってやれるだけやってみましたが、3日で実験結果載せるのは流石に無理でした。というか、あまりにも研究が進まないので夏休み終わった後に研究テーマ変えてるんですが、それから1ヶ月も経ってないのに実験までやって報告書を書くのはどう考えても無理だと思います。

 

そのことを修正した資料を見てもらう時(締め切り前日)に話したところ、「まだ締め切りまで30時間あるから実験やって結果載せれる」と言われるし、徹夜でやってるし明日は用事があると言っても「明日用事あるって、それは卒業より大事な用事ですか?」とか言われました。やばいですね☆

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そうだ 転研、しよう。

本格的に転研の覚悟を決めたのは、夏休み終盤くらいから研究室に行くようになったのがきっかけでした。コロナ禍が少し収まり、感染対策を取れば研究室にも行ってよくなったため、家でやるよりは研究が捗ると思って研究室に通うようになりました。

 

研究室で見たのは、朝から晩まで土日祝日関係なくいつでも研究室にいる先輩方の姿でした。また、話を聞いてみるとミーティングの前日には徹夜で資料を作ることもよくあるらしいです。僕よりもずっと優秀で研究にも慣れている先輩方は無理せずに研究を進められていると思っていたのですが、そんなことはなくて先輩方も苦しんでいたわけですね。

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ミーティングでM2の先輩が「そんな考察じゃ卒業させませんよ」みたいに詰められてた時は「これが僕の2年後の姿かぁ……」って感じていましたが、修士でもこの研究室に残る場合あと2年間はこの状態を続ける必要があります。そのことを理解し、そしておそらく2年経つ前に途中で心身を壊して大学をドロップアウトすることになることを察したとき、もう転研するしかないと覚悟を決めました。

 

Let's 転研

ネットで転研に関して調べてみたところ、大学側にめちゃくちゃ止められた事例もあるようだったので、まずは止められた場合に既に様々な場所に相談したと言い張れるように学生相談室に相談に行ってみました。

 

実際には特に止められなかったので学生相談室に相談する必要はなかったのですが、親身に話を聞いてもらえたので精神的に辛い人は利用してみると良いです。また、研究室を変えたいという相談はそれなりに来るようで、まずは所属支援室の学群教務に行くと良いと教えてもらいました。

 

そうして支援室の学群教務に研究室を変えたいと言いに行きました。この時は教授には秘密裏に転研を進め、あとは教授の許可をもらうだけになってから伝えるつもりでした。なお、支援室の人には「まだ教授には言ってないですよね……?」と言われたのでこれは秘密にしておいてもらえるのかなと思っていたら、すぐに情報が伝わったようで次の日には教授に呼び出されました。やばいですね☆

 

でも支援室を通して研究室変更の話をしたのは正解だと思います。教授と話した感じだと支援室から教授に「御宅の研究室の学生が辞めたいって言ってるんだけど?」みたいに話が行って、教授側は支援室に「こういう話をしてこう対応しました」と報告する必要があるようです。そのため、無理に引き留めたり口封じをすることはできないわけです。

 

教授には「やめる決断をする前に相談してほしかった」と言われましたが、これは相談しないのが正解です。人に相談するのは無条件で良いこととされがちですが、相談相手を選ぶ責任は自分にあるので適切な相手を選ばないといけないです。研究が辛いことを教授に相談しても「じゃあ君だけ優しくしようか」とはならず「みんなはやってる。嫌ならやめろ」と言われるのがオチなので誰も幸せにはなりません。

 

教授には研究室変えるためには大学院の専攻長に話をしてみてと言われたため、専攻長にメールを送ってみたところすぐに「了解です。受け入れ先研究室が見つかったらまた連絡してください。」と返事が来ました。面談とか必要でハードルが高いかもしれないと身構えていたので拍子抜けしてしまいました。

 

専攻長によると、所属研究室は正式には進学後に決定するため院進時に研究室変えるのは全然余裕らしいです。ここら辺は大学や選考によっては違うかもしれませんが、おそらく最もスムーズに研究室を変えれるタイミングなんじゃないでしょうか。

 

転研先の研究室を決める際には、今年の研究室の受け入れ枠と実際に入った人数を見て余裕のある研究室を探し、去年の卒論や中間報告書を読んで今の内容と似たようなテーマをやれる場所に決めました。研究室の先輩方にも相談してみたのですが、そこなら教授も優しくて自由にやらせてもらえるよと太鼓判を押してもらえました。

 

転研先の教授との面談では、面談前には御研究室のこんなところに興味を持ちましたとか転研後にはこんなことをやりたいですとか何を話すか色々考えていたのですが、いざ面談になると緊張してただただ今の研究室辞めたいですとしか言えなかったです。でも温かく受け入れてもらえました。優しすぎて泣いた。

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受け入れ先研究室から許可をもらい、教授にも来年度からはここに行きますと伝え、専攻長にそれらを報告すると全部終わりで転研が完了しました。

 

転研を振り返って

振り返ってみると、研究室を変えるのはとても簡単でした。最初はたらい回しにされるとか精神科行って診断書もらう必要があるとか覚悟していたんですが、実際にやってみるとあっさり転研できてしまいました。

 

ブラック研究室に入った学生は精神を病んで留年や退学という形で大学自体をドロップアウトしていってしまう人が多いのですが、そこら辺の選択肢はやれることをやって手を尽くしてから考えても遅くないと思います。ただ、精神的に追い詰められて鬱傾向になってしまうとあらゆることをやる気力が湧かず助けを呼ぶことすらできない状態になりがちで、詰んでしまうタイミングは自分が思っているよりずっと早いので早めに動くことが大事です。

 

研究室を変えてもやっぱり研究が辛くてダメだった時は退学して刺身にタンポポを載せる仕事をやろうと思います。でも、仮にそうなったとしてもやれるだけのことはやったのでしょうがないと諦めはつきそうです。僕の場合は仮に今の研究室に残っても間違いなく卒業より先に心か体を壊して長期休学コースに入っていたと思われるのでこれが正解です。

 

 

今の研究室へ

辛い研究生活でしたが、なんだかんだこの研究室で学んだことも多く、学びのある1年だったと思います。トップレベルの学会の英語論文も読めるようになったし、毎日研究をするのが当たり前で苦にならなくなったし、自分の研究分野に関しては教授よりも詳しいと胸を張って言えるようになりました。

苦しんだ分だけ成長できた、有意義な1年間だったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んなワケねーだろバ~~~カ!!!!

貴重な大学生活1年丸々ドブに捨てたわクソが!!!!死ね!!!!

(某女子中学生アイドルリスペクト)

 

 

本当に転研できて良かった。心からそう思う。ブラック研究室はカス(研究室がブラックかどうかの感じ方には個人差があります)。

 

最後に

僕のようにならないために、研究室選びは慎重に行いましょう。できればゼミを見学させてもらうのがベストだと思います。研究室紹介では良いところしか紹介されないので。というかどの研究室も「うちは真面目に研究やる学生に来てほしい」しか言わないせいで本当にヤバい研究室かどうか判断できないのやめて。

 

ただ、どれだけ慎重に研究室を選んでも教授との相性次第ではどうしてもハズレを引くことは誰にでも起こり得ます。そのため、常に選択肢の一つとして転研を考えておくと、早めに行動を起こせますし、何より心に余裕ができます。

 

逃げるは恥だが役に立つ」というのは本当にその通りで、過去色々なことから逃げて辞めてきた僕ですが、辞めたことを後悔したことは一回も無くて、むしろもっと早く辞めておけば良かったと後悔しています。だいたい「他では通用してもうちでは通用しない」とか「嫌ならやめろ」とか言ってくるところはヤバいところなのでさっさと逃げるべきです。

 

また、辛いと叫べば必ず誰か助けてくれる人はいるものです。僕も今回は本当に多くの人に助けてもらいました。親身に話を聞いてくれた学生相談室の方、転研の受付をしてくれた支援室の方、すぐに転研を認めてくれた専攻長、転研を受け入れてくれた教授、研究室で話を聞いてくれた先輩方、他にもたくさんの人に助けてもらって転研することができました。本当にありがとうございました。

 

2021 3/8 追記

院進時に転研することが決まっても卒論は今の研究室で書かなきゃいけなかったので本当にヤバかったのですが、研究テーマを変えて2ヵ月くらい毎日朝から晩まで研究室に通って死ぬ気で頑張ったらなんとか卒論を書き終えて発表を乗り切り、留年せずに無事卒業することができました。

 

転研したいような人は卒業研究の進捗がよろしくない場合がほとんどだと思いますが、研究テーマを変えることだってできるし、転研で将来の不安を無くして研究に打ち込めれば進捗も出るようになります。卒業研究が上手くいかない時もそれを理由に卒業を諦めることなく研究テーマ変更や転研によって最後まで足掻いてみてください。応援しています。

筑波大学は旧帝である

 「筑波は旧帝」という言葉を聞いたことがあるだろうか。筑波大生がネタで、あるいは見栄を張ってよく発している言葉だ。受験界で筑波大学は旧帝のワンランク下に位置し、他の旧帝以外の難関国立大学と一括りにされることが多い。それでも自分の大学を少しでも上に見せたい、思い込みたいという悲しき気持ちからこの言葉は発せられているのだ。

 しかし、私は本気で「筑波は旧帝」だと信じている。ここにその根拠を示し引け目なく「筑波は旧帝」だと言えるようになりたい。

 

旧帝とは

 筑波大学が旧帝であるかを議論する前に、まず最初に「旧帝」と呼ばれる大学についてまとめておこう。一般に旧帝とは以下の7大学のことを指す。

 これらの大学に共通するのは、どの大学も戦前に設立された帝国大学を前身とする旧帝国大学であることである。

 

筑波大学の前身

 では、我らが筑波大学の前身はというと、1872年に日本で最初に設立された師範学校を創起とする東京師範学校(のち東京教育大学[1]となっており、帝国大学ではない。そのため、広島大学神戸大学などとまとめて旧官立大学と呼ばれることもある。

 ……しかし、筑波大学は旧帝である。それをこれから証明しよう(一転攻勢)。

 

旧帝≠旧帝国大学

 最初に重要なポイントとして挙げられるのが、「旧帝」と「旧帝国大学」は等しくないということである。

 ……話についていけない人もいると思われるので、順を追って説明しよう。

 まず、「旧帝」とは受験業界で偏差値が近い大学をまとめて呼ぶための通称であり、帝国大学を前身とする大学であるかとは無関係であることを理解してもらいたい。

 なぜ無関係であると言えるのか、それを今ここで証明しよう。それはズバリ、「旧帝国大学でありながら旧帝に含まれていない大学が存在する」からである。旧帝をA,旧帝国大学をBと置くならば、∃x(x∈B∧¬(x∈A))、従ってA≠Bである。

……旧帝に含まれていない旧帝国大学など存在しない?そんなことはない。旧帝国大学とは実際には以下の9つの大学である。

 いかがだろうか。実は一般に旧帝と呼ばれる7校の他に2校の旧帝国大学が存在するのだ。ちなみに、ソウル大学校に至っては旧帝国大学とのつながりを否定してたりするがそんなことは関係ない。とにかく、旧帝≠旧帝国大学であることは証明できただろう。

 

旧帝とは

 さて、旧帝≠旧帝国大学であることが示されたことにより、いま一度「旧帝」という言葉の定義について考える必要が出てきたと言える。しかし、その定義とは一体何だろうか。改めて問われると答えに窮するかもしれない。そこで私は以下の3つの観点から旧帝か否かを判断するべきだと主張したい。その3つの観点とはこれだ。

  • 偏差値
  • 国際ランキング
  • 国からの評価

 どれも大学を評価する際によく使われる観点であり、旧帝と呼ばれる大学群を決めるのに相応しいと言えるだろう。では、一つずつ見ていこう。

 

偏差値

 最初は偏差値だ。身も蓋もないかもしれないが、結局のところ受験生が一番気にするのは偏差値である。これが事実である以上この観点は外せない。

 では、筑波大学と他の旧帝との偏差値を比較してみよう。以下の表をご覧いただきたい。これはベネッセの公開している大学偏差値[2]の国立文系と国立理系の一覧である。(理系は長いので2つに分割)

国立文系

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国立理系

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 お分かりいただけただろうか。筑波大学の偏差値は他の旧帝大と比較しても遜色ない。むしろ学部によっては一部の旧帝大を上回っており、偏差値という観点においては筑波大学を旧帝と語ることに何ら問題は無いだろう。

 

国際ランキング

 これからの時代、日本を飛び出して海外で活躍する若者が求められている。だとすれば、国際的な大学ランキングは大学を評価する際の目安として大いに役立つことは疑いようがないだろう。

 今回は、Times Higher Educcationが中心となって作成しているTHE世界大学ランキングという大学ランキングの日本版[3]を参考にする。このランキングはマスコミでも取り上げられることの多いランキングだ。その2019年の結果は以下の表のようになっている。

 

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 お分かりいただけただろうか。筑波大学の国際ランキングは非常に高く、旧帝大と遜色ないランクに位置している。国際ランキングという観点においても、筑波大学が旧帝であることは疑いようがない。

 

 

国からの評価

 最後に、国からの評価を見てみよう。国立大学は法的には国立大学法人という扱いになっており、学生からの学費等の他に国からの運営費交付金をもらって活動している。その国からどれだけの評価を受けているかは活動資金へと影響を与えるため各大学も気にしているだろう。日本国内において大学の価値を測る上で無視できない要素と言える。

 さて、国からの評価を語るためにまずは各大学の運営費交付金の額を見ていきたいと思う。以下に旺文社教育情報センターの記事[4]から抜粋した、各大学の運営費交付金一覧および運営費交付金の占有率状況を示す。

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 お分りいただけただろうか。筑波大学の運営費交付金額は旧帝大の中でも中央付近に位置する金額であり、また他の旧帝大と共に数ある国立大学への運営費交付金の大部分を占有している。運営費交付金という観点では旧帝大と言って差し支えない。

 

 また、国立大学長の報酬という観点においても語っておくべきことがある。国立大学が法人化する以前、国立大学長の報酬は指定職として号俸により金額が決まっていた。

 指定職とは、「その官職の職務と責任の度が特に高度であり、かつ、一般の職員に適用される扶養手当、住居手当と言った属人的な給与がなじまない官職について、職務給の理念に沿って官職毎に給与を定めることが望ましい」として創設された[5]区分である。早い話が、何号俸であるかによって給料が決まる。号俸が高い方が金額も多い。

 さて、国立大学学長の号俸は一体どの程度だったのかというと、東京大学および京都大学が12号俸、その他旧帝大(筑波を含む)が11号俸、他の大学は10,9,8号俸が割り当てられていた。そう、筑波大学長はその他旧帝大と同じ報酬となっていのである。

 国立大学長というのは非常に重要な職務であり、当然それに見合った報酬が支払われる。その上で筑波大学に他の旧帝大と同じ額を支払っていたのであれば、国は筑波大学旧帝大と同格と見なしていたことは疑いようがない事実であろう。

 

筑波は旧帝

 以上3つの観点から筑波大学を評価したが、どの観点においても筑波大学が他の旧帝大と同格の存在であることが示された。そして、旧帝とは旧帝国大学であることと無関係であることも既に示されている。だとしたら、筑波大学が旧帝でないと言えるのだろうか、いや言えない(反語)。よって、声を高らかに私は宣言しよう、筑波は旧帝だと!!

 

おわりに

 大学受験は人生のゴールではない。ぶっちゃけ旧帝卒だろうが何だろうが、ワンランクツーランクの大学のランクの違いは入学後の4年間の過ごし方で簡単に逆転する。だから、大学受験の結果に納得している人もしていない人も、卒業後を見据えて努力し、後から振り返って悔いの残らない大学生活を過ごしてほしい。

 その上で自分の大学の扱いにどうしても納得がいかないのであれば、自分の大学が旧帝だとか訳のわからないことを宣ったりするのもまた一興かもしれない。

 

 

引用

[1]筑波大学 - Wikipedia

[2]大学偏差値一覧から調べる | Benesse マナビジョン

[3]大学ランキング|THE世界大学ランキング 日本版

[4]http://eic.obunsha.co.jp/resource/viewpoint-pdf/201705.pdf

[5]指定職 - Wikipedia